板垣おっぱい
[E3 2011]ゲームの基本はシンプルなインプットに対して,ゴージャスなアウトプットが返ってくること――板垣伴信氏が語るゲームの根底にある面白さとは
既存のシューターっていうのは,クロスコンバットが“極めて不自然”だよね。そこが不満。例えば,敵が至近距離にいても,ひたすら銃を打ち合ってるじゃない。シンプルなところでいえば,それだけで滑稽なんだよね。
それは「回し蹴りが気持ちいいから,そういうルールが成り立つ」ってところなわけです。
「シンプルなインプットに対して,ゴージャスなアウトプットが返ってくる」
例えばパンチ4発のコンボを出そうと,お客さんが5回パンチボタンを押しちゃったとしたら,それは4発のコンボが終わった時点で止めてあげなきゃだめなわけ。
こうやって騒ぎにきている場で,パーティとかでもさ,日本人はつまらなそうにしているじゃないですか。アメリカに来ていても,日本人同士だけで寄り集まっていたり。すぐに「日本バリア」を張る。そういう人達が,自分がその場で,やればできることもできないのに,どうやって文化や感覚がまったく違う国のオーディエンス(観客)に喜んでもらえるものを創りえるのかって話なんだよね。
「今回の売りは」とか聞くとさ,「何とかシステムと何とかシステムと何とかシステムです!」しか言わない奴がいたりするでしょ? 「いい加減にしろよお前ら!」っていう話なんだよ(苦笑)。
アメリカっていうか,要するに「日本じゃない場所」……例えば,ジンバブエでもいいんだよ。あるいは,ロシアでもいい。そういう国境を越えたエンタメをお客さんと共有したいんだったら,もっと自己変革してもらわないといけない。
だいたいよく日本の企業の採用面接で「コミュニケーション能力」とかいう評価軸があるけど,超ナンセンスだね。そんなのはソーシャルスキルのごく一部分の範疇でしかないわけ。そういう狭い視野で人を評価しようってんだから,そりゃ日本に閉じた会社ばかりになるわけだ(笑)。
ブラウザゲームは,とても勉強になったよ。「ああ,こんな簡単なことでお客さんは喜ぶんだ」とか,逆に「ああ,こんな簡単なことでやめてしまうのか」とか。
赤ちゃんを部屋の電気のスイッチの前に連れて行くとさ,それはもう喜んでずっとパチパチやってるわけですよ。それって要するに,「小さなことをやっているのに,世界がばっと変わる」わけじゃん。真っ暗から,明るく。明るくから,真っ暗。
出てる他のゲームを見て,それに感動してゲーム業界に入ったって感じではないね。俺は基本的に,ゲームを見てゲームを作らないからさ。さっきも言ったように,全然関係ない他のところからインスピレーションを持ってくるから。
俺は,大学に七年間行ったんだけど(笑)。とにかく自分の好きなことしかやらないから,「好きなことじゃないと,絶対会社に行かないな」と思って。
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